透析治療を受ける患者さんへの指導のポイント

透析治療を受ける患者さんが元気な状態を維持するには、生活や食事の適切な指導が欠かせません。
患者さんが不摂生な生活を続ければ、長期透析療法の合併症を起こすリスクもあります。
そのため、患者さんはただ透析を行うだけでなく、患者さん自身が家庭で食事管理や水分量の管理を行わなければならないのです。

透析治療の中で、指導することになるのが、塩分と水分の制限です。
透析を受ける患者さんは、体の余分な塩分や水分を尿として排出する機能が低く、摂取した水分はそのまま体重の増加につながります。

そんな中、塩分をたくさん取ると喉が渇き、たくさん水を飲んでしまいます。
透析をする期間の中で体重が急に増えた場合、体の水分が増えて心臓に負担がかかり、病を引き起こす可能性があります。
看護師はこうした背景を踏まえ、患者さんが体重増加していたら、水分及び塩分の摂取を控えるよう指導しなければならないのです。

なお、透析を受ける患者さんに推奨されている塩分量は、1日につき6g未満です。
日本人は、他国と比較すると塩分摂取量が多く、1日平均9.5〜11gほど摂取していると言われています。
ですから、普段の食事のおよそ6割程度に塩分量を控える必要が出てきます。

減塩するコツは、調味料を毎回きちんと計測することです。
料理しながら目分量で味付けをすれば、つい調味料を使いすぎてしまうもの。
患者さんに対し、きちんと計測し、塩分量を把握することを習慣づけることをアドバイスしましょう。

また、新鮮な旬の食材を選ぶことも減塩に良いとされています。
新鮮で、旬の食材が持つうまみは、調味料をそれほど使わずに引き出すことが可能です。
食材そのものがおいしければ、調味料に頼らずに薄味でも十分に満足できるはずです。
旬の食材を食べることは、栄養面でもプラスになるため健康を考慮してもメリットになるといえます。